米プロバスケットボールNBAの八村塁選手がロサンゼルス・レイカーズでのデビュー戦で躍動しました。ワシントン・ウィザースから電撃移籍したのは驚きましたが、レイカーズはNBA屈指の人気チームです。

かつてはマジック・ジョンソンやシャキール・オニール、コービー・ブライアントらがプレーし、現在はレブロン・ジェームズ選手らがいます。その名門チームで八村選手が今後、どんなプレーを見せてくれるのか楽しみです。

さて今回は、そのレイカーズを指揮して3連覇と2連覇、その前にはマイケル・ジョーダンを擁したシカゴ・ブルズで2度の3連覇を達成したフィル・ジャクソン監督の「シカゴ・ブルズ勝利への意識革命」(PHP研究所)をご紹介したいと思います。

ジャクソン氏は、バスケにおいても人生におけるのと同様に「真の喜びは、物事がうまくいっているとき時だけではなく、あらゆる瞬間に、自分が完全に存在することに由来する。勝ち負けにこだわるのをやめて、一瞬一瞬の出来事に注意を集中させれば、物事はえてしてうまく運ぶものだ」と書いています。

この本には、バスケだけでなく、チーム、そして人生についての、示唆に富んだ貴重なコトバが多く詰まっています。

彼が最初にブルズの監督を引き継いだ時にまず誓ったのは「無私と思いやりに基づいた環境をつくること」だといいます。これは、クリスチャンとして、そして禅、アメリカインディアンのスー族の教えを研究しながら学んだことだそうです。

「広告」(クリックすると別サイトに飛びます)

「勝ち続けるための唯一の道は、スター選手からベンチの12番目の選手まで、全ての人にチームでの重要な役割を与え、たとえスポットライトが誰か他の人に当たっていたとしても、その時何が起こっているのかを全員が鋭敏に認識するようにさせること」と述べています。

「何よりもまず、わたしは、個人の才能と高いグループ意識が融合したチームを作りたかった」。そしてブルズほど「無私がチームワークの真髄だということを理解したチームはなかった」と振り返ります。

「従来、このチームは、マイケル・ジョーダンとジョーダンの取り巻きからなるワンマンショーだと思われていた」。しかし3連覇した本当の理由は「チームのメンバーが、一人の人間の力ではなく、一つにまとまることの力のほうを信じて努力を重ね、チームを分裂させる自己中心的な気持ちを克服したことにある」と書いています。

「バスケの神様」とも呼ばれたジョーダンは、決して自己中心的な人間だった訳ではないといいます。ジャクソン監督は、彼にチーム方針を伝えた時のことを振り返り「私が思っていたよりも受容力があった」と書いています。

「広告」(クリックすると別サイトに飛びます)

「スポットライトを君のチームメイトと分かち合って欲しいんだ。そうしないと他の皆が成長しないからね」と監督が語ると、ジョーダンは、幾つか質問した後に次のように答えてといいます。

「わかりました。僕のことはわかってるでしょう。いままでずっとコーチに素直に従う選手でした。あなたがなさりたいことが何であれ、従いますよ」

センターのビル・カートライトも「勝つために必要なこととは、チームのために自我を捨てて、自分の役割を果たすことだ。必ずしも楽しいことばかりではないが、やらなくてはならない」と述べていたそうです

さらにカートライトは「偉大なバスケットボール・チームには、信頼がある」と言います。彼は複数のチームで「ボールを受けることはできないと思われる選手にはパスしないのを見てきた」そうです。

でも、偉大なチームは「誰にでもボールをパスする」。もしその人間が「受けそこなったり、アウト・オブ・バウンズにしてしまったら、次の時にまた、その人にボールを回すだろう」。そして「皆が彼を信頼しているため、彼自身が自信を持つようになるだろう。こうして、上達していくんだ」と語っていたそうです。

「広告」(クリックすると別サイトに飛びます)