(試合の)終わらせ方というところで、僕はサイドでボールを持って時間を作るのは正直好きじゃない。だからといって彼らにやるなというわけではない。僕は駆け引きを見せながら3点、4点目指していきたい。そういうところは選手にも伝えています。ただ最終的に判断するのは選手なので、そこは尊重しています。

「力さん語録」㉔は、7月2日の第24節、アウェー群馬戦です。2戦連続のアウェーでの戦いとなりましたが、前節に横浜FCさんとの首位攻防戦に敗れたことを引きずることなく、2-0で勝利しました。

前半3分、本間至恩選手が結果的にアルビで最後となるゴールを決め、先制します。コーナーキックの流れから、左サイドからの藤原奏哉選手のクロスに谷口海斗選手が合わせ、相手GKが弾いたところを至恩選手が押し込みました。前半16分には右サイドを崩し、伊藤涼太郎選手が追加点を挙げました👇

松橋力蔵監督は試合について、「後半に3点目、4点目が取れなかった。チャンスはあったと思いますが、決められなかったのは1点取られたら難しい展開にしてしまう内容なので、追加点は課題として向き合いたいと思います」と語っています。

その上で、「試合の終わらせ方について」という質問に対して答えたのが、一番上の「語録」のコトバです。

松橋さんの、器の大きさ、懐の深さを感じます。
リードしている終盤に、サイドやコーナーでボールをキープして「時間稼ぎ」するのは常套手段でもあります。でも松橋監督は、自分はそれは好きじゃない。だからといって選手に、やるなというわけではなく、選手が最終的に判断したことであれば尊重するー。

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口で言うのはたやすいすが、簡単には実践できるものではないように思います。私自身振り返ってみても、”部下”や子どもに、ついつい自分の考えを押し付けてしったことが少なからずありました。”部下”が自分の考えと違ったことをした場合、納得したとしても不満やわだかまりのようなものが残ったりもしまいがちです。

結果が良ければ、自分自身の気づきや学びにもなって得るものも多く”結果オーライ”なのですが、もし失敗した場合には、「それみたことか」となりかねません。

しかし、松橋さんなら、たとえそれが失敗に終わったとしても、選手たちを責めることなどないように思います。自分たちで考え”トライ”したことを称え、さらにトライ&エラーを繰り返しながら互いに成長していこうといったことを言うのではないでしょうか。

「選手は監督の駒でもなければロボットでもない。コートでもがきながら選手自身が何かをつかんで表現し、創造すること。それを見るとき、指導者としてこの上ない喜びを感じるのである 」

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これは、以前紹介した後藤正治さんの「孤高の戦い人」の中にある、高校バレーの強豪校・下北沢成徳高校バレーボール部の小川良樹監督のコトバです。(#253 名監督のコトバに学ぶ 「孤高の戦い人」(後藤正治) | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com)
きっと松橋さんも同じなのではないか、と思います。

さて、選手たちはこの試合の「終わらせ方」について、どう思っていたのでしょうか。堀米悠斗キャプテンは、「終盤、危ないシーンが多かったのは反省点。キープしたい思いがある中で、奪われてショートカウンターを受ける場面も多かった」とし、次のように語っています。

「うまくクローズできたかというと課題は残るが、前節負けて、今節は結果が一番だった。ズルズルいかないためにも、どんな内容でも勝てたことは良かった」

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やはり「前節負けて、今節は結果が一番」だったため、「キープしたい思い」があったようです。それでも「勝てたことは良かった」けれど、「課題は残った」。試合の終わらせ方には納得いっていないことがうかがわれます。

「追加点」そして「試合の終わらせ方」を課題として向き合いながら、チームは「最後まで得点を狙い続ける。攻め続ける」ということを、共通認識として強くしていったように感じます。

それが、象徴的に表れたのが、昇格を決めた仙台戦といえるのではないでしょうか。途中交代の選手たちが絡んで、試合終了間際に奪った3点目のゴール。伊藤涼太郎選手の2得点とあわせ何度見ても飽きません👇

   (監督・選手のコメントはJリーグ公式サイトより)

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