きょうは、昨日(#176)に続いて岩崎航さんの詩集をご紹介しようと思って、あらためて読み返し始めたら止まりませんでした。遅い時間になった上に、書き始めたら長くなりすぎてしまいました。そこで今回はまず、エッセイ集「日付の大きいカレンダー」について書きます。
岩崎さんには、兄の健一さんが絵、航さんが詩を担当した画詞集「いのちの花、希望のうた」(#176 心を打つ絵と詩の花束 「いのちの花、希望のうた」(絵:岩崎健一、詩:岩崎航) | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com))のほかに、2冊の詩集とエッセイ集1冊があります。
いずれもナナロク社から出ていて、出版順に
「点滴ポール 生き抜くという旗印」(2013年7月)
「日付の大きいカレンダー」(2015年11月)
「震えたのは」(2021年6月)です。
エッセイ集の「日付の大きいカレンダー」には、航さんの「人生の歩みの一部」が綴られています。今回はまず、こちらを紹介させてください👇
「まえがき」の冒頭で航さんは、五行歌という形式で詩を書いていること、3歳で筋ジストロフィーを発症したとことを書いた後、「17歳のとき、自殺を考えました」と明かしています。
「病を持っている自分では将来に何の希望ないと思い込んでいた」から、だそうです。同世代の人たちと自身の境遇を比べ「できないことばかりに心が縛らていました」。でも、今は「病を含めたありのままの姿」で生きることがとても自然に思えている、といいます。
この「まえがき」の最後の方で、航さんは、書名となっている詩を紹介しています。
日付の大きい
カレンダーにする
一日、一日が
よく見えるように
大切にできるように
これに続き、
「僕も、皆さんと一緒に、何気ない一日という大きな一日一日を、大切に生きたいと思います。」と締めくくっています。
「何げない一日という大きな一日一日」ー。ハッとされる言葉ですね。
エッセイの合間には詩も多く掲載されています。そのうちの二つだけ紹介します👇
一瞬一瞬の
こころをはずませていこう
動いてやまないと
いうことで
きらめくいのちと思う
自分の力で
見いだした
ことのみが
本当の暗闇の
灯火となる
いかがですか。本の帯にはこうあります👇
「絶望の淵で見出した希望。
幸せとは、生きる力とは何か?」
読むたびに心揺さぶられ、心洗われます。「何気ない一日という大きな一日一日」を、大切に生きなくてはー。「絶望の淵で見出した希望」から、大きな力をもらえます。
斎藤陽道さんの写真もすてきです。ぜひお手に取ってみてください。