「最後のホイッスルが鳴るときにはわれわれが笑顔でいるんだ」ということも選手たちと話していた中で、そこに懸ける思いを選手は非常に表現してくれたと思っています。

「力さん語録」⑩は第10節のアウェー岡山戦です。3連勝がかかっていましたが、1ー1で引き分けました。前半の12分という早い時間帯に先制しましたが、前半のうちに追いつかれてしまいました。

それでも、追いつかれてからは相手に決定的な場面を何度かつくられただけに、粘って勝ち点1を持ち帰ったと、評価できるのではないでしょうか。先制ゴールを決めた谷口海斗選手は、3試合連続、今季6得点目です👇

上の「語録」の前には、松橋力蔵監督は、次のように話しています。
「後半に関しては自分たちでボールを握っていましたが、ファイナルサードのところに入っていく回数であったり工夫というところで、もう一工夫してもう一手間かけなくてはいけなかったかなと。そこの精度を上げていかなければ、あの堅い守備はなかなか崩せなかったと思いますが」です。

「自分たちでボールを握る」サッカーはできていたけれど、「もう一工夫」が足りなかった。それは残念だったけれど、勝ち点3を掴むという「思いを選手は非常に表現してくれた」と、選手たちをたたえているのです。

3試合連続得点となった谷口選手も「勝ち切って終わりたいというのがあるので。結果として勝てなかったというのは悔しい思いもあります」とコメントしています。

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松橋監督は常々「目の前の相手が最強の敵」と、一戦一戦を大事に戦うことを強調していました。「最後のホイッスルが鳴るときにはわれわれが笑顔でいる」ということは、今年のチーム全体として強く意識されていたように思います。

それは、引き分けが多かった昨シーズンの反省を踏まえ、「勝ち切れる」チームにならなければいけない。まさに、「語録」の初回(#227 「良いサッカーだった」というのはもう聞き飽きた 力さん語録①A仙台0ー0 | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com))で紹介した「良いサッカーだった』というのはもう聞き飽きた」という、強い思い、決意がうかがわれます。

6位に終わった昨季は18勝14分け10敗でした。もし引き分けの半分を勝つことが出来ていたら25勝7分けの勝ち点82で、2位だった京都さんの84より「2」少ないだけでした。もしそのような状況で終盤戦を戦っていたら、結果は変わっていたかもしれません。

今季は25勝9分け8敗でした。引き分けは昨シーズンより5つ減りました。引き分けの数の少なさはJ2で2位タイでした(最少は岩手の7、9は他に仙台、町田、群馬。最多は徳島の23)。

今季のアルビの引き分けのパターンをみると、0-0が1試合で、追いついてのドローが6試合、追いつかれて引き分けた試合が2(うち試合は一時逆転し追いつかれる)でした。2点差を追いついた試合が2試合(2節のアウェー大宮戦と、30節のホーム徳島)ありました。

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そして、追いついても「絶対に勝つ」という強い思いが、選手たちからは感じられました。多くの方が、そう思われたのではないでしょうか。

もちろん、気持ちだけで勝てるものではありません。そこには、過去2年でアルベルト前監督が築いた土台に、速い攻撃や早い攻守の切り替えが積み重ねられ、攻守に質の高いサッカーができたことがあるのは間違いありません。

しかし、それを築き上げていく過程で、語録のように、結果は満足いくものでなかったとしても良かった部分は褒め、ともに成長していこうと呼びかける姿勢があるからそ、チームとして大きく進化できたのではないか、と私は思います。

こう書くとアルベルト監督を批判しているように見えるかもしれません。しかし私は、アルベルさんや、その前には吉永一明さん、片渕浩一郎さんと、ユース年代の指導経験がある方々が指揮を執ってきたことで、チームにそういった「ともに学び成長する」というような雰囲気というか体質が根付いてきたのではないかと思っています(全くの推測ですが…)。

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ともあれ、望むような結果がでなかった、あるいは失敗した際に怒るのではなく、よかった部分を褒めてモチベーションを高め、成長を促すということは、リーダーとして、あるいは指導者、さらには親として求められる姿勢だと、私は思います。

そういう面から考えると、素晴らしいリーダーに率いてもらって、優勝&昇格に導いてもらってよかった。そして、それに応え、進化し続けてくれた選手やスタッフの方々に感謝しています。
  (コメントはJリーグ公式サイトより引用)

最後に、当ブログで取り上げた指導法に関する本を3冊だけ以下に紹介します。興味がおありでいたら、参考にしていただけたらうれしいです。

「叱らず、問いかける 子どもをぐんぐん伸ばす対話力」(池上正、廣済堂ファミリー新書)
#48 怒鳴ったり、過干渉したりせずに…「叱らず、問いかける」(池上正) | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com)

「教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術」(佐伯夕利子、小学館新書)
#64 自ら考え行動する力を育む 「教えないスキル」(佐伯夕利子) | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com)

「自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」(島村華子、ディスカバー)
#65  親の声かけ次第で子どもは変わる 「自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」 | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com)

この試合のブログは、こちら👇
#23 悔しいけれど… | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com)

この試合の「アルビの『コトバ』」は👇
#165 3連勝はならず アルビの「コトバ」⑩ A岡山1ー1 | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com)

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