アンジェラ・アキさんの「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」の歌詞にあるように、
「自分とは何でどこへ向かうべきか」悩みながらも、成長する中学生たちの姿が爽やかに描かれ、「笑顔を見せて 今を生きていこう」と、元気をもらえます。

中田永一さんの「くちびるに歌を」(小学館文庫)は、長崎県の五島列島にある中学校の合唱部が舞台です。

顧問の音楽教師が産休に入ったため、臨時教員として美人ピアニストの柏木先生が赴任してきて、男子部員が次々と入部します。このため合唱部は初めて混声合唱で大会に挑むことになります。

男子部員はまじめに練習せす、男子と女子が対立したりしますが、
「ひとりひとりの声が寸分違わずにぴたりと重なり、渾然一体となって場を支配する瞬間があった。入部当初はなかなかその瞬間に出会うことができなかったけれど、最近になってすこしずつ、ラジオのチューニングが合うかのようにその瞬間が訪れる」ようになります。

課題曲はアンジェラ・アキさんの「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」で、柏木先生は、この曲をよく理解するために、生徒たちに15年後の自分に宛てた手紙を書くよう課題を出します👇

物語は、3年生部員の中村ナズナさんと桑原サトル君が語り手となって進んでいくのですが、物語のクライマックスで、桑原君が15年後の自分に宛てた手紙が明らかにされ、私は涙を抑えることができませんでした。

手紙については詳しく書けませんが、自分が生まれたことに関しての秘密を打ち明けるその内容は、あまりにも切ないものです。

それでも、「くちびるに歌を持て、ほがらかな調子で」と、仲間とともにに合唱に打ち込んで成長した桑原君なら大丈夫ー。そう思わせてくれる、読後感も爽やかな作品です。

ユーチューブのアンジェラ・アキさんの OFFICIAL CHANNELに「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」MV 映画ver. があります👇

「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」、何度聞いてもいいですね。
五島の風景が美しいですね。映画も見てみようと思います。

「広告」(クリックすると別サイトに飛びます)