さぁ、ホーム3連勝だ!

あす10日、サッカーJ2のアルビレックス新潟は、ホームのデンカビッグスワンで栃木SCと対戦します。前節はアウェーでロアッソ熊本と戦い、試合終了間際の得点で逆転勝ちしました。アルビはホームでは現在2連勝中です。桜も開花しました。攻撃的サッカーを咲き誇らせ、連勝でホーム3連勝を飾りましょう!

さて、なぜ私がアルビを応援するのかについては、#01「開店しました」で、次のようなことを書きました。

アルビを応援するようになって、アルビがなければ出会うことがなかっただろう多くの人と知り合いになることができました。スタジアムで何度も歓喜の瞬間を味わい、逆に悔しい思いもしました。応援のためたくさん旅をしました。

私にとってアルビは生きがいです。地元にプロサッカークラブがあり、それを応援することで日々の活力をもらい、人生に彩りを添えてもらっています。
地元にプロのスポーツクラブがあることは、地域のスポーツ振興だけでなく、経済の振興にもつながります。試合になれば多くの人が新潟を訪れ、観光や食を楽しみ、それをSNSで広めてくれます。アルビレックスはまさに「新潟の宝物」といっていいかもしれません。

ミスだらけのスポーツ

さらに、アルビ、そしてサッカーから多くのことを教えてもらっています。
その中でも最も重要な学びは、”失敗を恐れずにチャレンジすることの大切さ”です。

今回は、「サッカーはミスだらけのスポーツ」だという、ドイツの経営コンサルタント、ラインハルト・k・スプレンガ―氏の著書「勝利を求めず勝利する―欧州サッカークラブに学ぶ43の行動哲学」(英治出版)をご紹介します。

「ここ数年の環境変化に伴い、ビジネスパーソンは、サッカーの監督や選手が以前から置かれていた状況に我が身を置くことになった。高い目標を短期に達成しろという圧力、ひっきりなしに訪れる変化、常に成長し続けろという要求、グローバルな競争、絶え間ない改善、新たな創造などだ。サッカーは比喩としてだけでなく、現代の、少なくともここ数年の『マネジメントモデル』となったのだ」

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これは、カバー見返しにも使われている、本書の「はじめに サッカーとビジネス」にある言葉です。そこには「サッカーを戦略や戦術を用いた競争と考えるならば、サッカーはビジネスの手本になり得る。価値観や文化の違いを理解するための手段や、意見の不一致に対処する様々な方法をサッカーは教えてくれる」ともあります。

氏が強調するのは、「最大のミスとは、ミスを恐れること」です。失敗に過剰反応するようになると「リスクをとることも決断することもしなくなる」からです。サッカーに限ったことではなく、何事にも言えることですね。

どんなに優れた選手でもボールを奪われる、シュートを外すというミスはあります。「選手は偶然を制するために不器用な足を使って休むことなくなく動く」からです。山ほどのミスがあるから成功の価値が高い。それがサッカーのいいところだ、というのです。

ミスは起きるものです。だから重要なのはミスをいかに「管理」するか、だと氏はいいます。たとえばミスをしてボールを奪われたら「全員で助け合えばいいのだ。攻守の切り替えを早くして、ボールを奪われたら、ただちに奪い返す。いつでもどこでも、それぞれの選手が責任を持ってサポートし合うことで、ミスによる影響は軽減されていくのだ」

サッカーは人生の縮図

「『サッカーは人生の縮図である』と、よく言われる。サッカーを生業とする監督や選手のみならず、熱心なファンたちからも聞こえてくる言葉だ。私が敬愛するイビチャ・オシム監督も、『人生のすべては、サッカーから学ぶことができる』と常日頃、口にしていた」

これは、現在のジェフユナイテッド市原・千葉のGMなどの経験がある祖母井秀隆氏による、本書の序文の冒頭にある言葉です。さらに氏は、本書の「勝利を求めず勝利する」とい題名に関して、次のように書いています。

「著者は『サッカークラブは、ただ単に結果を出すのではなく、内容と結果のバランスが重要だ』と強調する。代表例としてあげられるのが、サッカー界の優良企業たるスペインのバルセロナだ。目の前の勝利を追うのではなく、勝利と芸術性のバランスを追求する彼らのサッカーにこそ、ビジネスパーソンが学ぶべきものがある。つまり、『勝利を求めず勝利する』ことを目指すべきだ、としている」

「欧州サッカークラブに学ぶ43の行動哲学」と副題のついた本書は、43の章があります。本書について著者は、「本書を全部読む必要はない。章立ての順序に意味はないし、初めの章が終わりの章より大事ということもない。気の向くままにお読みいただければと思う」と書いておられます。各章は3~5ページほどです。

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サッカー関係者や経営者のみならず、スポーツにかかわるあらゆる人、ビジネスパーソン、人を教える立場にいる人、子育て中の人など、幅広い人方々に読んでいただきたい一冊です。

最後に、私が「付箋した」言葉をいくつか紹介します。

「この試合での敗北と、自分たちの力不足に向き合い、相手の勝利を称えているのだ。相手の成功を『喜ぶ』ことができれば、とても気が楽になる。潔さに磨きがかかり、人格がさらに高められていく」

「サッカーは『顧客のため』のゲームなのだ。ビジネスではそれがよく逆転してしまう。顧客を重視するようでいて、結果を追い求めてしまう。たいていの経営者が望むのは、利益や企業価値の上昇で、顧客はその目的を達成するための道具だと捉えがちだ」

「自信。これが一番重要です。そのために、私は自分の失敗からたくさんのことを学び、成功からも同じくらいたくさん学びました。その両方が積み重なって、自分を信じる気持ちが生まれたのです」

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