ゲームのほうは、最終的に最後にわれわれのところにボールが転がってきたというところに尽きるのかな。高木(善朗)の魂がみんなに乗り移ったのか、ボールにも乗り移ったのか、そんなリズムだったと思います。
「力さん語録」㊳は、9月25日の第38節ホーム大宮戦です。上の松橋力蔵監督の「高木(善朗)の魂がみんなに乗り移ったのか、ボールにも乗り移ったのか、そんなリズムだったと思います」というコトバは、アルビサポーターの方には説明の必要はないでしょう。
この試合は、チームの柱・高木善朗選手が離脱を余儀なくされてから迎えた最初のゲームでした。高木選手は、前節・37節のホーム水戸戦で負傷し、右膝前十字靭帯損傷と診断されました。全治は約8ヶ月の見込みです。
第35節のホーム琉球戦では2得点してチームを勝利に導き、場内の”ヒーローインタビュー”では次のように話していました。
「大好きなこの街と、大好きなこのクラブを、J1に上げるために全力で戦うので、応援よろしくお願いします」
この2試合後に負傷退場し、大事な最終盤の5試合に出られなくなったのです。その気持ちを思うと、言葉がありませんでした。
ヨシくんのためにも、絶対にJ1に昇格する。ヨシくんをJ1に連れて行く。選手、スタッフ、そしてサポーターの思いは一つです。
試合前には、サポーターそれぞれが背番号「33」の書かれたボードやユニフォームを掲げ、ヨシくんのチャントをスタジアムに響き渡らせました。ピッチ脇まで降りてきた高木選手の涙ぐむ姿が印象的でした。
高木選手の奥さんは、シーズン終了翌日のテレビ新潟さんの番組で、「サポーターさんたちの声で、人間ってこんなに人の言葉で変わるんだっていうぐらい支えになって、どんどんどんどん気持ちが明るくなっていった」と話しておられました。
「ヨシくんがJ1で躍動する姿を見たい」ー。加入当初から多くの人が望んでいたことがやっと実現します。焦ることなく、万全な状態でJ1の舞台に登場し、大暴れしてください。待ってます!
この日の試合は、なかなかゴールが遠かったですが、後半27分に秋山裕紀選手が決め今季初の4連勝を飾りました👇
スイッチを入れたのは秋山選手でした。伊藤涼太郎選手にパスを出すと伊藤選手はスピードのある斜めの楔のパスを中央の鈴木孝司選手に。ここからワンタッチパスが続き、最後は鈴木選手がつぶれて流れたボールを、走り込んできた秋山選手が右足であわせ、ゴールネットを揺らしました。
松橋さんの「最終的に最後にわれわれのところにボールが転がってきたというところに尽きるのかな」というのは、この最後の場面を指しています。
選手たちは、「ヨシくんのためにも絶対に勝つ」という強い思いで試合に臨んだことでしょう。試合序盤から、堅いブロックを敷く相手ディフェンスに対して、焦ることなくボールを動かし続け、サイドや中央からの突破を繰り返しました。
それが実を結んだ。まさに「高木(善朗)の魂がみんなに乗り移ったのか、ボールにも乗り移った」といえるでしょう。
秋山選手は、アルビでの初ゴールでした。
「今年1年は何があっても新潟のためにと、ブレずにやって試合に臨んできました。とにかく新潟が早くJ1に復帰するために自分が1つのピースになる。悔しい気持ちももちろんありましたけど、J1昇格のために自分にできることは何かを常に問いかけ続けた結果が、こういうゴールにつながったと思います」。試合後、こう語っていました。
秋山選手は期限付き移籍から復帰した今季は、前半戦こそあまり出場機会はありませんでしたが、30節から最終節までは13試合連続でピッチに立ちました。トータルでは計20試合、916分プレーしました。
高卒で新加入した2019年から昨年までの4年間で、アルビでの出場は計21試合でした。それが今年1年で20試合に出たのです。もともと視野が広くパスセンスに優れていましたが、ディフェンス力も向上したことが大きかったのではないでしょうか。
今年はボランチのコマ不足が心配されていましたが、秋山選手の成長や星雄次選手もボランチとして活躍したことで、個性の異なる4人がそろい、途中交代で変化をつけることもできました。これも「全員が戦力」の一つの象徴かも知れません。
秋山選手は、チームで真っ先に来季の契約を更新してくれました。その際は「これまでチームで積み上げてきたサッカーがどれだけ通用するのか、楽しみの方が大きいです。とにかくチャレンジをし、勝利を目指して全力で戦います」とコメントしています。どんどんチャレンジしてください。楽しみです。期待してます。
(コメントはJリーグ公式サイトより)
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#220 堅守を崩し初の4連勝 アルビの「コトバ」㊳H大宮1ー0 | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com)