前半はまったくだめです。本人も分かっています。そこで後半、あの一発を。その前にも2本くらい同じような形でチャンスがあったのですけど、最後決め切るまでやり切った。そして結果を勝ち取ったと思います。
「力さん語録」⑱は、5月25日のアウェー水戸戦です。3-0で勝利し、ようやくアウェーで2勝目を挙げました。2試合連続の3-0のスコアで、首位・仙台さんに勝ち点差1に迫りました。
前半は苦しみましたが、後半8分に三戸舜介選手のゴールで先制。本間至恩選手が同22分の追加点に続き40分に「完璧 これぞ本間至恩~」なファインゴールを決め、突き放しました👇
この試合について松橋力蔵監督は「前半は水戸さんの守備のタイトな圧力をなかなか外し切れず、受けに回ってしまうようなところが多くあったのですけども、なんとか耐え、後半につなげることができたと思っています」とコメントしています。
「語録」のコトバは、「三戸舜介選手の評価を」という質問に答えたものです。この「前半はまったくだめです」というコトバは、これだけを切り取ると、とても厳しい評価に感じます。ただ、「本人も分かっています」というコトバに、力さんの指導者としての素晴らしさがうかがい知れます。
「前半は水戸さんのゲーム」だったのに対して、松橋さんは後半頭から左サイドの小見洋太選手に代えて本間選手を投入しました。「前半はまったくだめ」という三戸選手を代えることはありませんでした。
三戸選手は前半に惜しいシュートもありました。しかし「まったくだめ」だったというのは、松橋さんの言葉通り本人も分かっていました。試合後、彼は次のように語っています。
「自分のところに来たら全部相手のボールになっていて、過去一番ひどい。反省点というか。申し訳ないという気持ちです。技術的なところもありますし、気持ち的なところでも弱かったというか、責任感がない感じのプレーになっていた」
「そこで後半に集中し直して、切り替えてリセットできたので」、早々に自陣センターサークル付近で相手パスを奪うと、ドリブルで持ち込んで先制点をもぎ取りました。前半は全くダメだったというのを本人も十分わかっているから、後半は切り替えてやってくれるだろうー。そんな指揮官の思惑が的中したと言えるかもしれません。それに応えた三戸ちゃんも立派です。
三戸選手はこの試合はフル出場を果たしました。後半35分に伊藤涼太郎選手に代わって松田詠太郎選手が入ってからは、トップ下でプレーしていたように見えました。至恩くんの2ゴール目は、左サイドから切り込んでいった至恩選手と、中央にいた三戸選手のワンツーから生まれています。
三戸選手はこの試合の次の試合後から、 U-21日本代表メンバーとしてAFC Uー23アジアカップに出場することが決まっていました。そこで活躍してもらうためにも、この試合をいい形で終えてほしいという力さんの親心もあったのかもしれません。
もう一つ注目したいのは、小見選手を前半で交代させたことです。小見選手は前節の横浜FC戦で2得点し、全3得点に絡む活躍でした。この試合でも先発し、決して悪いパフォーマンスではなかったと思うのですが、前半で退きました。
その小見選手に代わって後半から入った本間選手が2得点です。至恩くんはDAZNのインタビューで、次のように答えていました。
「自分のポジションの選手が前節大活躍して、やっぱり自分より若い選手ですけど、そのゴールへの意識とかそういうところを、もう一度自分は見直して、そこで積極的に足を振った結果が、あーゆう結果につながったんだと思います」
横浜FC戦での小見選手の活躍に、かなりの刺激を受けていたようです。選手のモチベーションにも配慮した松橋監督の起用法もあり、チーム内の競争も一層激しくなっていきます。層の厚みを増し、成長し続けるチームは、文字通り「全員が戦力」となっていきます。
(監督・三戸選手のコメントはJリーグ公式サイトより。本間選手のコメントはDAZNのインタビューを文字化)
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