勝てないのは私の責任です。選手はこの4試合、今日は負けてしまいましたが、その前までの3試合引き分けという形でしたけども、勝ててもおかしくない展開というのもあるので。本当に足りないのは、勝点3を取らせてあげられないのは、もう本当に僕の責任だと思っています。
「力さん語録」④はアウェー・ブラウブリッツ秋田戦です。0ー1で敗れ、開幕から4戦目で初の黒星を喫し、3分け1敗と勝ちなし。順位も18位となってしまいました👇
「勝てないのは私の責任です」。これは、まずは選手たちに向けたメッセージでもあるでしょう。松橋力蔵監督は次のようにも語っています。
「終盤も前半も少なかったかもしれませんが、いくつかこういう状況の中でもチャンスを作っていて、なかなか決め切れなかったことは、入るまで続けていくしかないと思っています」。ここでも、選手たち向け「ボールと主導権を握って、常に勝ち点3を目指す」サッカーをブレずにやっていこうと呼びかけているように感じられます。
そして何よりも、これはサポーターやパートナー企業、そしてアルビのことを気にかけてくれる新潟県民などへのメッセージではないでしょうか。
「開幕から4戦勝ちなしで今年のアルビは大丈夫なの?」「この調子では、また昇格できないんじゃないの」ー。こういった不安や、失望感に対して、選手たちはよくやっています、責任は全て自分にあります、選手たちを信じてくださいと訴えているのではないでしょうか。
「選手はこの4試合、今日は負けてしまいましたが、その前までの3試合引き分けという形でしたけども、勝ててもおかしくない展開というのもあるので」というコトバが、それを端的に表しています。
「勝てないのは私の責任です」と言えるだけでも、松橋監督がリーダーとして素晴らしいと思います。さらに、それだけでなく、言い訳することなく、きっちりと説明責任を果たし、今後へ向けた希望を示していることに偉大さを感じます。
松橋監督は、開幕前のキャンプが新型ウイルスの関係で10日間休止されたことを決して言い訳にはしません。この日の秋田戦は雨が降り続いてピッチに水たまりができるような状況でしたが、それを敗れた理由だとはしません。
「われわれがやりたいサッカーというのはなかなかできない中、しっかり(ピッチ)コンディションを考えた中で割り切ったサッカーへとシフトしたつもりでした」。どういう状況であろうとも最善を尽くす。
結果は伴いませんでしたが、「終盤も前半も少なかったかもしれませんが、いくつかこういう状況の中でもチャンスを作っていて、なかなか決め切れなかったことは、入るまで続けていくしかないと思っています」。ここでも選手たちを評価し、ブレずにやっていくということを強調しています。
それは、監督だけでなく選手たちも同じです。堀米悠斗キャプテンは、次のようにコメントしています。
「これがサッカーとはいわないですけど、これもサッカーなので。同じ環境でやっている以上、言い訳はない」。
ゴールキーパーの小島亨介選手は「僕のミスで負けてしまったことは受け止めないといけない。(失点場面は)おそらく本来のピッチコンディションであればボールが伸びてきて、自分が足で対応できるシーンだったが、雨の影響でピッチも少しぬかるんでいて、ボールのバウンドも読みづらいところもあった」と失点場面を振り返り、「今季始まって、勝利がない状況」という問いに次のように答えています。
「特別何かやることを変えるっていうよりか、自分たちがキャンプから積み上げてきたことに勇気を持ち、思い切って出し続けて、継続してやることしかないと思う。結果につながるプレーっていうのは個の質、個の能力だと思うので、そこは自分も含めてもっと向上させていかなければいけないと思います」
とかく世の中には、失敗は部下のせいにして叱責するだけの上司が少なくありません。中には「いつも注意しているのに、駄目なんですよね」などと、上に対して保身を図るような管理職もいます。それに比べて、松橋監督はどうでしょう。
こういうリーダーなら、選手たちも「この監督のためにも頑張ろう」となるのではないでしょうか。監督と選手たちが信頼し合い、同じ方向を向き、成長し続けることで、悔しい敗戦の後、すぐに結果がでます。翌節はホームで今季初勝利を飾ります。「連敗しないアルビ」の始まりです。
(監督・選手のコメントはJリーグ公式サイトから引用)
この試合の「アルビの『コトバ』」は、こちら👇
#156 雨に泣く… アルビの「コトバ」④ A秋田0ー1 | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com)
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当ブログでは、リーダーシップや組織に関しての本を何冊か紹介しました。今回は、このうちの2冊だけリンクを貼っておきます。お読みいただければうれしいです👇
#12 「勝利を求めず勝利する」―私がアルビを応援するワケ | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com)
#81 複数の視点で問題を解決する 「多様性の化学」(マシュー・サイド) | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com)