まずは試合の入りの部分で、“自分たちの信念を持つ”という勇気は持てたが、“手法を変える”という勇気を持てなかった。
「力さん語録」の第2回は、第2節のアウェー大宮戦です。前半7分に失点し、後半19分にも追加点を奪われますが、その後2点を入れて追いついた試合です👇
冒頭の松橋監督のコメントは、次のように続きます(コメントはJリーグ公式サイトより)。
「ああいう状況になったとき、どういうことが起きるかは、ある程度予想がつくことなので、そこは私の責任だと思っていますし、しっかりと選手と共有したい。」
「ああいう状況」というのが、どういう状況をいっているのか、試合のフル映像がないこともあり、残念ながらわかりません。ただ、この試合のJリーグ公式サイトの「レポート」(【公式】大宮vs新潟のマッチレポート・動画(明治安田生命J2リーグ:2022年2月26日):Jリーグ.jp (jleague.jp))に、ヒントがあるように思っています。それは次のように書きます。
「先手をとったのは、この試合が今季のホーム開幕戦となった大宮。立ち上がりからハイプレスを掛け続け、新潟のビルドアップのリズムを乱していった。」
ハイライト映像からも、大宮さんのハイプレスの激しさがうかがえます。先制点を奪われた場面は、自陣の深い位置でボールを奪われ、一度は奪い返して味方につないだボールのトラップが大きくなったところを再び奪われ、そこからクロスを上げられて失点しています。
ここからは憶測にすぎませんが、冒頭の「語録」のコトバは、「ボールを保持し続ける」という信念を持ち続けることは大事だが、状況に応じてセイフティーにタッチに切ってもいいのではないか。「手法を変える」勇気をもっていいんだよという、選手たちへのメッセージが込められていたのではと、私は思います。
サッカーは相手あってのことです。相手が予想と違った戦い方をしてきたときは「手法を変える」勇気を持とう。自分たちで判断して、柔軟に戦っていい。責任は自分にある。これからは、柔軟に手法を変えるということも含め、互いに話し合い、共に成長していこう。そんな風に伝えているように感じました。
失点は残念でしたが、2点を先行されながら2失点目の4分後には1点を返し、その3分後には追いつくという攻撃は、見事でした。
注目したいのは、2ゴールとも相手陣内でボールを奪い、そこからの素早い攻めから得点を奪っているということです。
1点目は、本間至恩選手がボールを奪うと、すぐにゴール正面へとドリブルで持ち込み、ラストパスを高木善朗選手が決めました。2点目は、奪ったボールを受けた伊藤涼太郎選手が素早く左サイドに振り、それを受けた本間選手のクロスをイッペイ シノヅカ選手が合わせました。
まさに、初回の「『良いサッカーだった』というのは聞き飽きた」という思いから、前への意識が強化されたことが実っているといえるのではないでしょうか。
攻撃に関しては、松橋監督の次のコメントも見逃せません。「攻撃について、前節・仙台戦からこの1週間で良くなったところについて」という質問に、力さんは次のように答えています。
「前半はそれほど大きく変わった感じじゃない。後半に少しだけ、『中央の部分を使った攻撃を展開していこう』と。」
昨シーズンまでと今季の違いは、具体的なデータは示せませんが、素早い攻守の切り替えからのカウンターの得点と、パス交換を繰り返しながら相手のスキをうかがい、縦への早いスピードのくさびのパスを打ち込んで中央から崩して得点するシーンが増えていると感じています。
開幕早々から意識されていた「中央の部分を使った攻撃」は、シーズンを通して磨きがかけられていきます。その象徴的なプレーがリーグ終盤、奇しくもホームでの大宮戦で見られました。今季初の4連勝を飾った9月25日の第38節、秋山裕紀選手の決勝ゴール、圧巻でしたね👇
つらつらと書いてきましたが、あらためて今季のシーズン新体制発表会の動画を見たら、松橋監督の目指すサッカーが自身の言葉でわかりやすく語られ、そして今季は着実に実現されていることに驚きました。
お時間のある時に、ぜひご覧になってください(クール太郎さんの「大きな覚悟を持ってこのチームに来ました」という言葉と、その思いも熱く語られていますよ)👇
この試合の、アルビの「コトバ」は、こちらです👇
#154 2点差追いつく アルビの「コトバ」② A大宮2ー2 | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com)