開始早々に先制点を許すと、後半の半ばまでで0-3。それでも「すべてが悪かったわけではない。点も取ることができていますし、いくつか追いつくチャンスがあったし、ゲームの中でそういう場面は作れている」。松橋力蔵監督の語る通りの試合ではなかったでしょうか。

最終的には4失点、これで4試合で11点を失っています。松橋監督は試合後、「失点にまったく目を向けていないわけではないですが、どうゲームに入っていくかというところで、スタートはそこではない。先に点を取ってゲームのリズムをつかむことで、失点を少なくしたり、なくしたりできると考えています」と語っています。

スポニチの西巻賢介記者の記事によりますと、「浦和戦に向けて始動した8日のミーティング。3日の広島戦と、前節の神戸戦でオフサイドとなった長倉の幻のゴールを含めた“4得点”の映像を振り返り、松橋監督は『最初からこれをやろう』とハッパをかけた。この試合はそれほど先制点にこだわってきた」といいます(新潟今季ワースト4失点&今季2度目の連敗 DF舞行龍「落ち込んでる時間はない」― スポニチ Sponichi Annex サッカー)。

西巻記者は続けて、「ただ、今の悪い流れは簡単に断ち切れない。前半4分。最終ラインが『オフサイドトラップをかけた』(DF早川)が、FWサンタナにうまく抜け出され、出はなをくじかれる先制を許した」と綴っています。

「先制点にこだわった」。けれど、ちょっとした歯車の狂いで逆に先制され、これが大量失点につながってしまいました。しかし、もし先制点を奪うことができていれば、試合は全く逆の展開になっていたかもしれません。

「引いて全員でブロックを敷いてということは、ゲームのスタートからするべきではない」。松橋監督は試合後、こう語っています。その通りだと思います。それは、時計の針を大きく逆戻しすることになります。

アルベルト監督が土台を築き、松橋監督が大きく進化させてきた新潟のサッカーを、やり続けるしかない。やり続けて、さらに進化させてほしい。つぎこそ結果が出ると信じています。

浦和戦のハイライトです👇

第13 節(5月11日)H浦和●2ー4
  (3勝4分け6敗・勝ち点13、得失ー6 16位)
 

得点 チアゴ サンタナ(4分)、サミュエル グスタフソン(65分)、前田 直輝(69分)、
   太田修介(75分)①長倉幹樹(87分)②、チアゴ サンタナ(90+12分)=PK

シュート14ー9  CK6-1 FK7-15

警告 藤原奏哉(82分)②

主審 笠原寛貴

入場者数 24,652人 晴れ  25.6℃      14:03KO

この日のメンバーは次の通りでした👇

スタメンは前節から3人が入れ替わりました。出場停止明けの早川選手が左サイドバックに、松田選手は3試合ぶりの先発・出場、長倉選手は今季2度目で7試合ぶりの先発でした。

交代は、
 長谷川 元希→小見洋太(51分)
 松田 詠太郎→谷口海斗(66分)
 小野 裕二→太田修介(66分)
 島田 譲→奥村仁(75分)
 早川史哉→星雄次

長谷川元希選手は後半6分に負傷し交代を余儀なくされました。宮本選手、高木選手に続いて3試合連続での先発選手の負傷交代です。やるせないですね。3人が軽症であることを祈るしかありません。

アルビがまず1点を返したのは、3点目を奪われてから6分後。決めたのは2失点目の直後に投入された太田選手でした👇

まさに「繋いで左から崩し」、長倉選手のクロスが相手選手に当たって太田選手の前にこぼれ、これを落ち着いて左足で流し込みました。

「狙っている形が出たシーンだったし、これをどれだけこれから繰り返せるかだと思います。再現性のあるものとして、どんどん自分たちの形にしていくところが大事かなと思います」と太田選手は振り返り、次のように話しています。

「今日のゲームが終わったあとに、やっぱり自分の良さってこうだなとか、こういうプレーをもっとやんなきゃいけないなとか、すごく自分の中でしっくりくるものがあったので、そこはゲームでもっと出していきたいなと思います」

待望の今シーズン初ゴールです。加入初年の昨季もけがに苦しみながら、伊藤涼太郎選手に次ぐチーム2位の5得点を挙げた太田選手の”完全復活”も近そうです。新たなゴールパフォーマン「指しゃぶり」を早く見たい(アルサポQ参照)です。

そして後半42分に長倉選手が1点差に迫るゴールを奪います👇

今季2ゴール目の長倉選手は「とにかく相手の前に入るというのを意識していました。1個前のDFを越えた良いボールが来たので、決められて良かったです」。左サイドからピンポイントのクロスを送った舞行龍選手、頭で合わせた長倉選手ともに素晴らしかったですね。

DAZNを見返すと1点目のゴールも、敵陣で長倉選手が奪ったボールが小見選手にわたり、それをいったん自陣にすと、舞行龍選手がワンタッチで左サイドの早川選手へのパスを出したところから生まれています。

最初のゴールにも大きく貢献した二人は、長倉選手がシュート7本を放ち、舞行龍選手はパス成功数80でチームトップ(https://x.com/albirex_pr/status/1789200253528444980)、長倉選手はさらに、走行距離が12・58キロ、スプリント回数も22回でチーム1位を記録しています(https://x.com/albirex_pr/status/1789201274367345115)。

0-3から1点差まで迫り、アディショナルタイムが11分と表示され、だれもが追いつける、さらには逆転も可能だと思ったのではないでしょうか。しかし最後は遠藤選手がエリア内でファールの判定を受け、PKを決められて万事休しました。

長倉選手は「前半からクロスに合わせるシーンもたくさんあったが」という質問に「決めないといけないシーンばかりだったので、全然物足りないですし、悔しいです」と答えています。

長倉選手については、モバアルZの「広報ダイアリー」に詳しく書かれています👇

この中では遠藤選手に対する長倉選手のへの思いも紹介されています。ぜひご覧ください。心優しく、内に熱い闘志を秘めた背番号27が、これから大ブレイクする。そう強く感じます。

浦和戦から中3日、15日は横浜F・マリノス戦です。前日会見では、トーマス デン選手が意気込みを語っています(https://x.com/albirex_pr/status/1790309829367542144)。6試合ぶりの出場・先発はあるのでしょうか。復帰すれば心強いですね。

広報ダイアリーでは、浦和戦後のトーマス デン選手の思いも伝えてくれています(歩んできた道のりを | モバイルアルビレックスZ (albirex.co.jp))。こちらも必読です。

マリノスはいわずとしれた強豪です。11日にはAFCチャンピオンズリーグ決勝の第1戦をホームで戦い、2-1で逆転勝利してアジア制覇に王手をかけています。でも、こちらも3連敗するわけにはいきません。ピッチ、スタンドが一体となったホームの力で、5試合ぶりの白星を掴み取りましょう。ホームでは初のナイトゲームです。プラネタスワンを楽しみましょう!

  (注釈のない選手・監督のコメントはJリーグ公式サイト【公式】新潟vs浦和の試合結果・データ(明治安田J1リーグ:2024年5月11日):Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp) (jleague.jp)より引用)