一人少ない状況から、土壇場で追いつきました。価値ある勝ち点1です。松橋力蔵監督は「ただ守るだけでなく、可能性が低い中でも点をどう取りにいくか、最後の最後まで表現してくれた」と選手たちを称えました。

そして、「ご来場いただいたファンの方々の後押しもあって、ああいう形で点が入ってドロー決着」とサポーターに感謝の言葉を述べ、「この選手の頑張りを次のゲームの勢いにしていきたいと思っている」と、次への決意を示していました。

中2日の6日にはアウェーで昨年の覇者・ヴィッセル神戸戦、さらに中4日で浦和レッズ、そこから中3日で横浜F・マリノスとのホーム連戦が待ち受けます。まずは神戸戦で3試合ぶりの手にし、J1で30回対戦し1勝しかできていない難敵・浦和戦に弾みをつけましょう。

今回はまず、高木善朗選手のゴールシーンから👇

高木選手は「ゴール前に入っていけたことがゴールにつながったと思うので、続けていければ。本当に最後だったので、10人でしたけど、みんなが力を出し切る感じでゴール前に走り込みました」。

そのゴール、起点となったのは遠藤凌選手でした。リーグ戦では期限付き移籍から復帰して2戦目、5試合ぶりに先発・出場した遠藤選手は「その1個前のプレーで、アバウトにクリアして相手ボールになってしまったので、なんとかFWにつながればと思って前につないだところから、ゴールにつながりました」と語っています。

その思いが込められたボールを長倉幹樹選手が収め、ターンしながら右サイドを走り上がってきたダニーロ ゴメス選手へ。ダニーロ選手は相手のコンタクトを物ともせずにドリブルで持ち上がり、いったん中へ切り込むそぶりを見せながら縦へ突破。ゴールライン近くからゴールを横切る速いグランダーのクロスを送ります。

一度は相手ディフェンスにクリアされますが、これを高木選手が滑り込みながら右足で合わせました。「ボールとゴールしか見えていなかったので、ボールをよく見てあのコースに流し込むイメージを、そのままできたと思います。ちょうど良いところにこぼれ球が落ちてきました」と謙虚に振り返っています。

高木選手については、モバアルℤの「広報ダイアリー」で、平澤さんのインタビューが掲載されています。とても心に響きます。ぜひ読んでみてください👇

このダイアリーでも紹介されていますが、DAZNの試合後のインタビューでヨシくんは、サポータについて聞かれて一瞬涙ぐんでいます。

ゴール後には、胸のエンブレムをトン、トン、トンと叩いてからギュッと掴み、小さく頷いた後に、サポーターに向けて「アイシテルよ」と叫んでいます。このシーンは、DAZNの最後のにあるハイライトではっきりと映し出されています。もう、涙が出ます。

新潟在籍7年目。J1復帰を決めた2022年には終盤で大けがをしました。その2試合前、2得点を決めて首位を奪還した琉球戦後のヒーローインタビューで「大好きなこの街と、大好きなこのクラブをJ1に上げるため、全力で戦うので応援よろしくお願いします」と言ってくれたことを思いだしました(#212 ヨシくん2発 ゲデス初Gで首位奪還 アルビの「コトバ」㉟ H琉球3ー0 | アルビレックス新潟と本のある幸せ (husen-alb.com))。

さて、広島戦のハイライトです👇

第11 節(5月3日)H広島△1ー1
  (3勝4分け4敗・勝ち点13、得失ー3 15位)
 

得点 荒木 隼人(70分)、高木善朗(90+4分)①

シュート6ー12  CK3-6 FK15-13

退場 早川 史哉(33分)

警告 太田 修介(8分)②

主審 川俣秀

入場者数 25,854人 晴れ 21.6℃      14:03K

この日のスタメンは次の通りでした👇

鈴木孝司選手が開幕戦以来の出場・先発、小野裕二選手がホーム開幕戦以来となる8試合ぶりのスタメン。遠藤凌選手は5試合ぶり、太田修介選手が4試合ぶり、長谷川元希選手が3試合ぶりに最初からピッチに立ちました。

交代は、
 宮本 英治→島田譲(28分)
 太田修介→星雄次(37分)
 小野 裕二→ダニーロ ゴメス(66分)
 鈴木 孝司→長倉幹樹(66分)
 長谷川 元希→高木善朗(66分)

宮本選手は相手に顔面を蹴られて負傷退場してしまいました。けがの程度が心配です。その5分後には早川選手が一発退場の判定を受けてしまいます。宮本選手に代わって島田選手、太田選手を下げてサイドバックに星選手がピッチに入りました。急きょの出場にもかかわらず、ともに落ち着いたプレーで窮地を救ってくれました。

中でも星選手は5試合ぶり、それも慣れないサイドバックでの出場でした。スポニチさん(新潟 執念のドロー 数的不利の中で後半アディショナルタイムに高木が今季初ゴール!― スポニチ Sponichi Annex サッカー)によると、「今週は(練習で)そのポジションをやっていた。準備はしていた」ということですが、どこでもこなせる頼もしい存在ですね。

苦しい展開でしたが前半は得点を許さず、ハーフタイムに入ります。そのロッカールームで何が話されたのでしょうか。モバアルℤの「Inside of ALBIREX」で見ることができます👇

「こういう展開を楽しんで、勝とう」と仲間を鼓舞する小野選手、松橋監督、秋山選手の一言一言が胸を打ちます。試合前の堀米キャプテン、そして試合後の力さんのコトバも心打たれます。本当に、素晴らしいチームです。

早川選手の退場後すぐに「アイシテルニイガタ」を響き渡らせ、選手たちの背中を押したサポーターの応援は、後半に入ってボルテージが上がっていきました。

得点の起点となり、そこから前線に駆け上がり、得点後にはゴールからいち早くボールを回収した遠藤選手は「サポーターの皆さんの声援は力になりましたし、最後、同点ゴールが生まれたのも皆さんの声援が力になった」と語っています。まさに、スタジアムが一体となって掴んだ勝ち点1でした。

けが人も出て神戸戦からの連戦は総力戦となります。高木選手は「正直、自分が得意としていないポジションをやっている選手もいましたが、チーム力で相手を上回れるチームだと思うので、出たところで僕自身もしっかり仕事ができればと思います」。

これに続け、「10人でもできたので、これを11人でもできたらそう簡単には負けないと思います」と、激闘で得た手応えを口にしました。苦しい状況を楽しみ、最後まで諦めずに土壇場でドローに持ち込み、一段と成長したチームの反転攻勢がここから始まるー。そんな期待で胸が膨らみます。

  (注釈のない選手・監督のコメントはJリーグ公式サイト【公式】新潟vs広島の試合結果・データ(明治安田J1リーグ:2024年5月3日):Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp) (jleague.jp)より)